NBAの概要

Associationの開始準備が出来たところで、実際のNBAの概要を確認しておきましょう。実際のNBAでの決まりごとは多岐にわたるのでしょうが、ここではゲームに関係することを大きく掻い摘んで紹介します。

リーグの構成

NBAはアメリカの29チームとカナダの1チーム(ラプターズ)、合計30チームが所属して1リーグが形成されており、その30チームは地域ごとに大きく東西2つのカンファレンスに分けられています。2006-07シーズンの東西の分配は東(イースト)西(ウエスト)各カンファレンス15チームづつです。各カンファレンスは更に地区ごとに3つのディビジョンに分かれており、それぞれに5チームづつが所属しています。

NBAのリーグ構成
イースタンカンファレンス ウエスタンカンファレンス
アトランティック・ディビジョン サウスウエスト・ディビジョン
ニュージャージー・ネッツ サンアントニオ・スパーズ
フィラデルフィア・セブンティシクサーズ ダラス・マーベリックス
ボストン・セルティックス メンフィス・グリズリーズ
トロント・ラプターズ ニューオリンズ/オクラホマシティ・ホーネッツ
ニューヨーク・ニックス ヒューストン・ロケッツ
セントラル・ディビジョン ノースウエスト・ディビジョン
デトロイト・ピストンズ デンバー・ナゲッツ
クリーブランドキャバリアーズ ユタ・ジャズ
インディアナ・ペイサーズ シアトル・スーパーソニックス
シカゴ・ブルズ ミネソタ・ティンバーウルブズ
ミルウォーキー・バックス ポートランド・トレイルブレイザーズ
サウスイースト・ディビジョン パシフィック・ディビジョン
マイアミ・ヒート フェニックス・サンズ
ワシントン・ウィザーズ ロサンゼルス・クリッパーズ
オーランド・マジック ロサンゼルス・レイカーズ
シャーロット・ボブキャッツ サクラメント・キングス
アトランタ・ホークス ゴールデンステイト・ウォリアーズ

レギュラーシーズンスケジュール

NBAは毎年10月下旬から11月初旬に開幕して、翌年の4月中旬から下旬までレギュラーシーズンを戦います。試合数は全82試合(ホーム41試合、アウェイ41試合)で必ず全チームが対戦するように組まれています。各チームは同一ディビジョン内のチームとは4戦(ホーム、アウェイ各2試合)、同カンファレンス、別ディビジョンのチームとは3〜4戦、別カンファレンスのチームとは2戦(ホーム、アウェイ各1試合)を戦います。細かな日程はガイドラインはあるものの、テレビ放映権や国や地域の事情など様々な要素により決定されるため、試合間隔や試合日はその年によりまちまちです。また、レギュラーシーズン中、毎年2月の中旬にファン投票で選出された東西カンファレンス代表選手によるオールスターゲーム1試合が開催されます。

プレーオフの仕組み

NBAの本当の戦いはこのプレーオフから始まると言われています。レギュラーシーズンは序章に過ぎず、その最大の目標は出来るだけ好条件でプレーオフへの進出を決めることなのです。プレーオフのトーナメントに出場することが出来るチームはレギュラーシーズンの成績に基づき決定され、各チームは概ね成績の良い順シードされます。各カンファレンスごとのノックアウト式のラウンドを最後まで勝ち抜いたカンファレンスの覇者同士が最終的にNBAファイナルで雌雄を決することになります。

出場枠

プレイオフに出場できるのは各ディビジョンの首位チームと、それ以外のチームのうち、カンファレンスで勝率の高い順に各5チームとなります。(ディビジョン首位になればカンファレンス全体での勝率が9位以下でもプレーオフに出場することができます。)

シード順

プレーオフに出場するチームのうち、各ディビジョンの首位チームに各カンファレンスでの勝率上位の1チームを加えた4チームに対して、カンファレンスでの勝率順に1〜4のシードが与えられます。各カンファレンスその他の4チームには勝率順に5〜8のシードが与えられます。シード順は2006-07シーズンから変更になっています。

ラウンドとホームコートアドバンテージ

プレーオフの各ラウンドは全て4試合先取制(最大7試合)で行われ、シード順には関係なくレギュラーシーズン中の勝率の高い側のチームがホームコート・アドバンテージを得ます。ファーストラウンドからカンファレンスファイナルまでは、HHAAHAHの順で、NBAファイナルのみHHAAAHHの順となります。

サラリーについて

サラリーキャップ

NBAではチーム間の強さの格差を一定に抑え、リーグをよりエキサイティングにすることで、リーグ全体の収益を上げることを目的として、各チームが選手へ支払うサラリー(給料)の総量を一定以下に制限しています。この制限をサラリーキャップといいます。

但し、年俸が上がることにより、生え抜きの選手が移籍せざるを得なくなると、チームが選手の育成を怠ったり、ファンがチームに愛着を持てなくなる等の弊害が懸念されることから、各種の例外事項が設けられています。

包括的労働協約

リーグと選手との間には(Collective Bargaining Agreement:包括的労働協約、以下CBA)と呼ばれる合意事項が存在し、現行のCBAは2010-11シーズンまで効力を有しています。CBAにはサラリーキャップの他、最低、最大給与、トレード、ドラフト等の合意事項が含まれています。多分ゲームではシーズンを続ける限り、現行のCBAを基にサラリーキャップが算出されるものと思われます。

サラリーキャップの決定方法

サラリーキャップは毎年のバスケットボール関連収支(以下BRI)の予想額を基に算出され、現在は利益の57%以上と言う決まりがあります。実際のBRIの内訳は多岐に渡りますが、ゲーム内では大きくチケット、商品性要因、リーグ分配金の3項目で表されています。

ゲームではナビゲーションメニューから、General Manager → Team BudgetでBRI、サラリーキャップの具体的な額を確認できるようになっています。実際のNBAではリーグ収支に従い上下に変動するはずですが、ゲームでは年数が進むにつれて一定の率で上がって行くように設定されています。

チーム最低年俸

NBAではサラリーキャップが存在する一方で、チーム最低給料総額も設定されており、これはサラリーキャップの75%と定められています。これは低い順位のチームがドラフトで早い指名順位を得て有望な選手を獲得し、他チームに高く売り飛ばすと言った行為を抑制すると言う意図が含まれています。但し、確率に差は付けられているものの、NBAのドラフト順はロッタリー制と呼ばれる抽選を含む方式で決められるため、単純にこういった行為が行えるものではありません。

選手年俸制限

NBAではチームだけではなく、選手個々にも年俸についての細かな制限があります。FA等に絡む様々な例外的な条項が設けられているため、一概には言えませんが、概ねリーグに所属した年数によって最低補償額(設定金額)、上限額(サラリーキャップ比、もしくは設定金額のどちらか)ともに上がって行く仕組みになっています。合わせて年毎の給料の上昇率についても関連した細かな制限があります。また、ドラフト1順目で指名された選手についても、契約額の吊り上げを防ぐための厳しい規定が設けられています。

中レベル給料例外

サラリーキャップに制限されず、平均サラリー同等額まで選手と契約することができる例外条項です。ゲーム内では“Mid-Level Exception”として平均サラリー額を伴って示されます。この金額までならば複数の選手と契約することも可能です。この例外条項は毎年使用が可能です。

最小給料選手例外

“Minimum Player Salary Exception”はサラリーキャップに制限されずに、最低保証給料で選手と契約できるという例外条項です。最小給料契約の選手をトレードで獲得する際にも適用されます。

贅沢税

サラリー総額が当該年度の給料敷居値(ゲーム内ではSalary Thresholdとして表示)を越えることによってリーグに支払わなければならなくなる、一種の罰金を通称、luxury tax(贅沢税)といいます。リーグのバスケットボール関連収入の総合計値(BRI)をチーム数で割ったものの61.1%が基準額となり、年々増加して行くもので、選手給料総額(ゲーム内ではYOUR CAP FIGUREの値)がこれを越えると、越えた分と同額の贅沢税の支払いが発生することになります。