« ゲームプレーを録画する3 | メイン | NBAストリートシリーズ »

ゲームプレーを録画する4

ゲームプレーの録画について考察を続けます。

今回はゲーム機用の接続ケーブル、端子の種類についてです。
一般にゲーム用のケーブルは映像用ケーブルと音声用ケーブルが一まとめになっています。
基本的にテレビに接続することを考えて作られていますので、その方がバラけないので扱い易いといった理由からだと思われます。
しかし、見て解る通り映像と音声は別々の端子になっており、信号はそれぞれ独立して送られています。
(HDMI端子の要に一見一緒になっているものもあります)
ということで、今回はまず映像ケーブルについて解説してみます。
では、行ってみましょう。

映像ケーブルの種類

①ビデオ映像ケーブル(ピン型【黄】)

※これらにはいくつかの関連用語がありますので、ついでに覚えましょう。

コンポジット
映像信号の種類。輝度信号(Y)と色信号(C)、同期信号を「コンポジット=複合」して送っているので。

RCA
プラグ形状での呼び方。開発メーカーの名前から来ている。

ピンジャック、ピンプラグ
プラグの形状からの見た目でこう呼びます。

ビデオケーブルと言うのは本来は広い意味で全ての動画用ケーブルを指す言葉のような気がしますが、一般に定着したイメージとしてはこのピン型の黄色端子のケーブルのことを言います。

ちなみに映像ケーブルと音声ケーブルはプラグの色が違うだけで、構造的な違いは無いです。
しかし、安価な音声ケーブルはたまにインピーダンスの規格を満たしていないものあるそうなので注意が必要です。ゲーム機の場合は多くは専用ケーブルを使用するので、普通は気にする必要がありませんが、ジャック(ピンを受ける側、雌側のこと)で直接繋げるものなどは注意が必要です。買う時に箱を見れば規格は書いてありますし、多くの有名メーカー品は気にする必要も無いでしょう。

②S端子映像ケーブル(通常黒が多い)

S端子のSはセパレート(Separate)の略です。セパレートの意味は「分離」です。昔、S-VHSと言う画質を向上させたビデオデッキの規格(というよりは商品名)が出たときに、この端子が出始めたので、S端子のSはS-VHSのSだといわれたことがありますが、意味合いとしてはセパレート(分離)で覚えた方がいいでしょう。
S端子の規格にはワイド信号を識別するためのS1、S2規格と言うのが存在しますが、使うケーブルには違いが無いと思いますので、特に気にする必要はありません。

※S端子はほとんどの場合、「S端子」で通用します。あまり別の名前では呼ばれませんが、一応下の2つの用語は覚えておいた方がいいでしょう。

セパレート端子
略さないでそのまま呼ぶとこうなります。輝度信号(Y)と色信号(C)を分離しているのでセパレート(分離)です。

ミニ-DIN 4ピン
端子の形状です。一般の呼び名としてはまず使いませんね。

①と②の違いは映像信号の送り方の違いです。
複合して送るより、分離して送った方が信号が混合することによる障害が起きづらいので、良い画像が得られ易いと言うことですね。
具体的に言うと、ビデオ映像端子だと色が滲んだり、輪郭がボケたりするのが、S映像端子だとくっきり見えたりします。
ゲームではタイトル文字やメーカーロゴなどで比較すると解り易いかも知れません。
ただし、ハード(テレビやビデオデッキ)でY/C分離処理されて軽減されることもあると思います。

ここまで紹介した①②の映像ケーブルが対応している映像の種類は「SD映像」と呼ばれるものです。
これはStandard Definitionの略で日本語だと「標準解像度」になります。
標準解像度には、インターレース走査方式と、プログレッシブ走査方式とがありますが、ビデオ端子、S端子ケーブルが対応しているのは、インターレース方式だけです。

結局何が言いたいのかというと、ビデオ端子、S端子ケーブルしか使えないハードでは横640×縦480ドットのインターレース方式でしか映像が出力されないと言うことです。この規格を縦の値を取って480iと呼びます。

昔のハードは480iの解像度でしか出力できない訳ですから、対応ソフトもその解像度で表示するようプログラムされています。
大きい(画素数の多い)テレビで見ると、見かけは大きく見えますが、それは640×480の映像を引き伸ばしているに過ぎず、元の情報量は多くの場合640×480≒30万画素な訳です。
PS3の様に旧ソフトの表示の際にアップコンバートしてスムージングを掛けられるようなハード以外では画質そのものの向上は基本的にできないと思った方が良いでしょう。

さて、次からは主にハイビジョンにも対応した次世代機で活躍するケーブルになります。
ちなみに欧米では「ハイデフ(HD)」の方が標準的な用語のようです。

③コンポーネントケーブル(3つのピン型【緑・青・赤】端子の組合せ)

Componentをケーブルの意味としてふさわしく訳すならば「成分」とでもなるのでしょうか。
S端子では輝度信号(Y)と色信号(C)を分けて送信していましたが、コンポーネント端子では更に色信号をB-Y色差信号とR-Y色差信号に分けて伝送しています。
コンポーネントケーブルではHD映像(480i、480pを超える解像度の映像)を扱うことができますが、ケーブルの本数が多く、また束ねると太いことから、日本では同等の画像が得られるD端子の方が広く普及しています。
また、コンポーネント端子ではD端子で扱える画角情報(動画部分が4:3サイズ分しかない信号の表示をテレビ側が自動で切替制御するための情報)を扱えません。

端子の表記は[Y/Cb/Cr]と表記されている場合は、ビデオ端子やS端子と同じ480i相当の映像までしか扱えず、[Y/Pb/Pr]と表記されている場合はそれ以上の映像も扱えると、一応の目安があるようです。
要は、次世代ゲームのようにHD映像(ハイビジョン)機器を接続する場合は[Y/Pb/Pr]で無いと駄目なわけです。とはいっても販売されているゲーム用の接続ケーブルには違いが無いと思います。あとはTVやキャプチャ機器の側が対応しているかの問題ですね。

先程からS2や[Y/Pb/Pr]といってもケーブルは違いが無いと書いてますが、要はハード側(ここでは主にTVのこと)が対応しているかどうかの違いで、ケーブルには違いが無いと言う意味です。
良く見るとテレビの端子の横にS2とか[Y/Pb/Pr]とか書いてますので確認して見てください。

④D端子ケーブル(文字通りD型の形状の端子:黒が多い)

D端子のDは、端子の形状から来ているらしいです。Dの形に似ているからだそうですが、この名前のせいでデジタル信号をやり取りする端子だと誤解されることがしばしばあります。
しかし、実際のところD端子はアナログ端子です。
信号伝送の方式はコンポーネントと変りませんので、このケーブルも信号の種類的にはコンポーネントと呼ばれます。
D端子は日本独自のローカル規格で、また、コネクタ形状やケーブル構造からコンポーネント端子に比して劣化が起き易いという欠点がありますが、前述の画角情報を扱えるというメリットもあります。
製品の質にも拠りますが、一般的にD端子ケーブルは5mを超えるような長いものは使わないほうが無難です。

D端子にはD1~D5までの規格が定められていて、それぞれ対応する映像のフォーマット(解像度)が違います。

D1:480i
D2:480i,480p
D3:480i,480p,1080i
D4:480i,480p,1080i,720p
D5:480i,480p,1080i,720p,1080p

③と④の信号伝送方式は基本的に同じなので変換ケーブルを使用すれば、違う端子形状同士でも接続することが出来ます。

⑤HDMI端子

HDMIは「High Definition Multimedia Interface」の略で、19ピンのこれまたDの文字に似たような形の端子になります。
①~④の端子とは違い、HDMIはデジタル信号を扱う端子で音声信号も送信できる様になっています。DVI端子とは映像信号部分のみであれば変換ケーブルを使用して接続できますが、ハードがHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection system)という、コピープロテクションシステムに対応している必要があります。
HDMIはその規格により、扱える伝送速度や解像度、色深度が異なる他、新たな規格に対応したり、端子形状がより小さいminiHDMIが定義されたりしています。
今のところバージョン1.0では1080p、1.3以降で1440pに対応しています。

ということで、以上①~⑤が一般的にゲーム機で使用される端子の種類になります。
PC用のモニターに出力する場合には特殊なケーブルを使いますが、とりあえず今の段階では割愛しておきます。

では、今までの説明が録画とどのような関係があるのかについて考えて見ましょう。

①②はゲーム機であれば、ほとんどどの機種でも対応しています。
480iのみのアナログ信号であるため、現状では制限らしい制限をほとんど受けず、TVの映像出力端子を通して出力することもできるため、様々な方法で容易に録画することが出来ます。

③④はPS2以降のゲーム機であれば、ほとんど全てのゲーム機が対応していると思います。
特にXbox360,PS3の次世代機ではHD(ハイデフ)画像が扱えるため、ハイビジョン対応TVにこれらのケーブルを使用して出力することで、より綺麗な映像を楽しむことが出来ます。
ここで言う「綺麗」の根拠は、①②に比した画素数の増加と色信号の分離送信によるものです。
しかし、録画するとなるとそれなりの機材が必要になり、いきなり敷居が高くなります。
また、ラグ無くプレーしながら録画しようと考えると、更に工夫が必要になります。
それと信号はあくまでアナログなのでいくらかの劣化は免れません。

⑤は現状ではPS3及びXbox360エリートでしか使用できません。
高解像度対応であることは勿論のこと、信号がデジタルであるため、劣化の心配がありません。
しかし、録画するとなると、HDCPという障害があり③④より更に敷居が高くなります。
比較的新しい規格であるため録画機材の金額も高額になります。

こうして見てみると、SD画質でプレー&録画というのは、コンポジット接続でよければ簡単に(あくまでも他の端子を使う場合に比べてです)出来そうだと理解してもらえると思います。
「HD画質でプレーして録画はSD画質で」ということなら簡単に出来そうな気もしますが、実際は現実的ではないというのは前回書いた通りです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://cepter-jb.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/124

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2008年06月07日 23:28に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「ゲームプレーを録画する3」です。

次の投稿は「NBAストリートシリーズ」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。