APF2K8とは

APF2K8は米国のスポーツゲームブランド、2KSPORTより2007年7月16日にXbox360及びPS2、Xbox向けに北米で発売されたアメリカン・フットボールを題材にしたTVゲームソフトで、SEGAが1999年9月(日本発売は2000年1月)にドリームキャスト向けに発売したNFL2Kの流れを汲む新たな派生シリーズの1作目です。

NFL2Kシリーズ

NFL2Kは2000年初頭にSEGAよりドリームキャスト用ソフトとして日本でも発売され、それまでに類を見ないリアルなアメリカン・フットボールゲームとして人気を博しました。同時期にはNBA2Kも発売されていますが、スポーツゲームとしての完成度はそれを凌ぐと言われ、日本でもファンの間でかなりの盛り上がりがあったと記憶しています。残念ながら当時私はNFLやアメフトについて全く知識が無く、ついて行けない感がありましたが、それでもゲームとしては大変面白いと感じてプレーしていた記憶があります。その後、ドリームキャストの販売が終了してからはPS2等へプラットホームを移し開発が続けられていましたが、EAがNFLとの独占契約を結んだことをきっかけにESPN NFL2K5を最後にその後の販売は中断しています。日本ではNBA2K1までがドリームキャストで発売されましたが、その後は国内版の発売は無く、今日に至っています。

「ALL PRO FOOTBALL 2K8」な訳

事はエレクトロニック・アーツ(EA)が2004年に12月にNFLおよびPLAYERS INCとアメリカンフットボールゲームの開発、発売、販売に関して5年に渡る独占契約を獲得したことに端を発します。この契約によって、ゲームでのNFLのチームや競技場、選手の使用権は5年間EA社に独占されることになりました。(ちなみに、これに対し、2KはMLBの独占契約権を取得して対抗、NBAについてはリーグが独占を好ましくないとして契約先を特定していません)このため、2K SPORTは2004年7月発売のESPN NLF2K5を最後に人気シリーズであるNFL2Kシリーズの続編を発売することが出来ずにいました。

しかしながら、米国では事実上独占的NFLゲームとなったEA社のMaddenシリーズのゲーム性がNFL2K5に劣るとの根強い批判と、EA社の「独占」というユーザーには何の益も無いビジネス手法への反発などから、2Kにフットボールゲームの制作続行を望む声が多くありました。これに対して2Kは3年の期間を掛けて引退したプロフットボール選手と個別に契約を結び、今回このALL PRO FOOTBALLという回答を導き出したわけです。

APF2K8に対する評価

前述のような理由からAPF2K8ではNFLチーム、NFLスタジアム、NFL選手といったNFLファンの望む多くのものは提供されません。唯一、引退した往年の名プレイヤーが使用できると言うところが、NFLとのつながりといえるでしょうか。

自身で最初に選んで編成するチームはレベル毎の選手の数が一定に制限されており、自由度が低いとの評価もありますが、少しプレーすると、この制限が絶妙なバランスであることに気が付きます。また長期に渡るチーム経営(いわゆるフランチャイズモード)や、これにおけるドラフト、トレードといったものが無く、この様ないくつかの要因のために、APF2K8では総じて演出面が弱いと評価されています。しかし、この部分もオンラインリーグの充実振りから、殆ど問題にならないとする意見もあります。

試合でのアニメーション処理や操作、試合展開などについての評価は極めて高く、NFL2K5からの不満点も解消されており、破綻は殆どありません。純粋にフットボールとして高いレベルで楽しめるものと高く評価されています。

総合すると、APF2K8は純粋にフットボールが好きな人向けのゲームであり、完成度の高いフットボール試合のシミュレーション、特に対人試合を求める人向けのゲームであるといえるようです。1人で長くやりこみたい人には、ドラフトもトレードも無い1シーズンのみのシーズンモードでは物足りないかも知れませんが、それでもAPF2K8が最も優れたフットボールゲームの一つであることは間違いないでしょう。